10月6日、初めての試みである「中国杯チヌトーナメント大会」が開催されました。本大会は、「支部選抜方式のトーナメント大会を開催することにより、中国地区会員の親睦、釣り技術、マナー、フカセ釣りへの愛着とモチベーションの向上を図ること」を目的として開催され、中国5県の各県支部予選を勝ちあがった精鋭16名が岡山県牛窓に集結しました。試合形式はマンツーマン対戦の勝ち上がり方式で、大会規定の詳細はG杯全国大会の規定に従い、役員による厳正な審査が行われました。大会会場は当初牛窓沖の前島、黄島周辺を予定していましたが、釣況が非常に悪かったため、急遽小豆島、見目~大部間の磯での開催となりました。
1回戦、二組で釣果なしのジャンケン勝負となってしまいましたが、全般的には予想以上の好釣果で良型が続出。特に「小海小島鳥居」の廣安選手VS加藤選手、「小海L波止」の清水選手VS木村選手は40cm後半サイズの叩き合い勝負で圧巻の釣果。また「小海旧波止」の浜田選手は、50cm近い大物を仕留めていました。
続く2回戦と準決勝戦は、試合会場を小豆島東寄りの琴塚~大部方面に移して行われました。日が昇ってチヌの食いが徐々に厳しくなり、かつ東風が強くなる中、各選手は持てる技量を発揮し、最終的に貴重な1尾を食わせた南選手と石丸選手が決勝戦へ、清水選手と浜田選手が3位決定戦へと駒を進めました。
決勝戦と3位決定戦は「小部の石切」とそのすぐ横の「小部の石切東」で、多くのギャラリーが見守る中、試合がスタート。3位決定戦は前半、浜田選手が40cmオーバーを仕留めて試合の主導権を握り、後半も残り3分で25cmほどのキーパーをキャッチ。しかし、このとき予想外のアクシデントに見舞われました。本大会規定では試合中にバッカンを流出したらその試合は失格というルール。悪い足場で釣っていた浜田選手は、チヌを取り込む際に足がバッカンに当たり、バッカンが転落、流出して失格。大変残念な結末で結果は4位、清水選手が繰り上げの3位となりました。しかし、本大会は、トーナメントを実践し体感するのが大きな目的です。浜田選手からいただいた貴重な体験は、本人も含め、今回の参加者全員の今後の大きな教訓となりました。
一方の決勝戦、南選手VS石丸選手。左側の深場に入った南選手が中間距離を攻め、開始早々、セイゴやマダイを連発しギャラリーを沸かせます。一方の石丸選手は仕掛けの投入場所を色々変えながら状況を探索。潮位が高くなった1R終了間際、それまで温存していた足元にエサ盗りの間隙を縫ってサシエを差込み、28cmサイズの貴重な1尾をみごとにゲット。その直後、沖の潮が生きた流れになったのを見過ごさなかった南選手は、間髪要れずに仕掛けを遠投。小型ながら浮いてきた高活性のキーパーを仕留め、見応えのある決勝対決となりました。
場所交代後の後半、左の深場に入った石丸選手は、折から増えてきたアジを巧みなマキエワークで交わしてサシエを送り込みますが、チヌからの魚信はありません。一方、右の浅場に入った南選手は沖目に遠投し、マキエとサシエをずらしてサシエを確実に底に届け、エサ盗りながら魚のあたりを重ねています。やがて残り時間も少なくなった頃、南選手に待望のチヌがヒット。慎重な取り込みで小型ながら貴重な得点をゲットし、試合終了となりました。
検量の結果、南選手2尾500g、石丸選手1尾320g。「中国杯チヌトーナメント」の栄えある第1回チャンプは、南選手が勝ち取りました。この日、南選手は1回戦から準決勝まで各試合とも非常に厳しい釣況の中、規定サイズぎりぎりを確実にキープし、僅差の試合をものにして勝ちあがってきました。その集中力と粘りが決勝戦でも発揮されたようです。
今回の大会は、「まこと渡船」、KG情報、参加選手、(株)がまかつ、各支部及び本部役員をはじめ、多くの皆様にご協力いただきました。この場を借りてお礼申し上げます。本大会は今後も継続していく予定で、来年度はグレを予定しています。今後もご協力をよろしくお願いします。
GFG中国地区本部 チヌ部長 中西毅